特許庁委託 平成16年度産業財産権制度各国比較調査研究等事業
審査の品質管理に関する調査研究報告書
平成17年3月
社団法人
日本国際知的財産保護協会
はじめに
特許庁委託の平成
16
年度産業財産権制度各国比較調査研究等事業は、主要国
の産業財産権制度の現状と動向を把握し、わが国の望ましい制度の構築に役立
てることを目的としている。この「審査の品質管理に関する調査研究」は事業
の一環である。
「知的財産立国」を目指す我が国にとって、特許審査に対する一層の充実へ
の要望は高く、安定した的確な範囲の権利を迅速に適正手続きで設定すること
が望まれている。すなわち、審査のスピードの向上
(
審査待ち期間の短縮化
)
、先
行技術調査の一層の充実化、出願人と審査官の間のより十分なコミュニケーシ
ョンの確保、判断の的確性の維持等の「審査の品質」へのニーズがますます高
まっている。
このような中、国際的には、改訂
PCT
ガイドラインが平成
16
年
1
月から効
力を発生し、国際調査・国際予備審査機関が、その業務について所定の品質管
理のためのシステムを構築することが求められている。国際調査機関以外の特
許庁においても、既に品質管理の一層の向上を目差す取り組みが行われており、
例えば英国特許庁が品質管理マネジメントシステムの国際標準である
ISO 9001
を取得している。
そこで海外の主要な特許庁がどのような品質システムを確立し、具体的な施
策を執っているかについて調査研究を行なった。本報告書が、品質管理システ
ムを一層充実させるための基礎的な資料となることを願っている。
調査研究にご協力いただいた、各国特許庁の関係各位にこの場を借りて心か
らお礼を申し上げたい。
平成
17
年
3
月
社団法人 日本国際知的財産保護協会
(
AIPPI
・
JAPAN
)
目 次
はじめに
目次
1.概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
2.英国特許庁(UKPO)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 2-1 UKPOの概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
(1)審査の品質に関する状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 (2)審査に関するデータ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 (3)UKPOの組織・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 (4)特許局の組織・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 (5)審査部門・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 (6)審査官・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 (7)イギリス国内特許出願の審査過程・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 2-2 品質保証について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 (1)概論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 (2)ISO 9001 : 2000・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 (3)IDQAパネル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 (4)顧客満足・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 2-3 審査業務の外注・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13 2-4 PCTリフォームへの参画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13 参考資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
(3)新たな動き・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 132 (4)顧客満足・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 135 3-3 PCT出願に対する審査の品質・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 135 3-4 ISO 9001について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 135
4.米国特許商標庁(USPTO)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 137 4-1 USPTOの概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 137 (1)審査の品質に関する状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 137 (2)審査に関するデータ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 137 (3)USPTOの組織・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 138 (4)特許局の組織・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 140 (5)テクノロジーセンター(TC)の組織・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 141 (6)審査官・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 142 (7)審査の流れ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 142 4-2 品質保証について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 143 (1)概論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 143 (2)品質保証担当組織、職員・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 144 (3)各種レビューの実施・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 144 (4)職員の質の向上・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 150 (5)顧客満足・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 151 4-3 PCT出願への取組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 152 4-4 ISO 9001について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 152 参考資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 153
5.専門家レポート・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 179 5-1 品質マネジメントシステム規格要求事項 概要・・・・・・・・・・・・・・・ 179 5-2 英国特許庁品質マニュアルの研究・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 187 5-3 PCTガイドライン第Ⅶ部 品質 第21章
国際調査及び国際予備審査の共通品質フレームワーク
──要求事項の研究──・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 192
6.各国比較表・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 210
1.概要
本報告書は、海外の主要な特許庁における特許審査の品質管理システムについて
調査し、まとめたものである。調査内容は、特許の出願から登録査定(特許付与)
までの審査における品質管理であり、商標、意匠の審査については触れていない。
対象特許庁としては、既に品質管理について
ISO9001
の導入により先進的な取
組みをしている英国特許庁(
UKPO
)、日本国特許庁と三極特許庁協力を推進して
いる欧州特許庁(
EPO
)および米国特許商標庁(
USPTO
)の3特許庁を取り上げ
た。
調査内容は、各特許庁の組織、職員、審査過程といった概要、次に審査の品質管
理について行っている施策、最後に
ISO9001
、改定
PCT
ガイドラインへの取組み
からなる。
調査の方法としては、各特許庁のホームページ、書籍等から情報を収集した。ま
た、
UKPO
、
EPO
ミュンヘン、
USPTO
、
EPO
ハーグについて現地調査を実施し、
情報を収集した。なお、
UKPO
が特許の審査業務を委託している、オランダ産業
財産権庁(
NIPO
)、デンマーク特許商標庁(
DKPTO
)も訪問し、特に
UKPO
と
の業務委託について調査した。調査結果は、このように収集した情報を各国別にま
とめたものである。参考資料を各特許庁の報告の末に載せた。特に
UKPO
は既に
品質管理マネジメントの国際標準である
ISO9001
を取得しているので、関連資料
をできるだけ集めた。
次に、品質管理について一般的な知識を得るため、日本規格協会で
ISO
の講師
を務める菊地俊明氏のレポートを掲載した。まず、
ISO9001
について、その日本
語版である
JISQ9001
:
2000
を基に、
「品質マネジメントシステム規格要求事項」
概要」というレポート。これは
ISO9001
の概略を理解するのに有効であろう。2
点目に「英国特許品質マニュアルの研究」を掲載する。これは
UKPO
が
ISO9001
取得に際し作成した「品質マニュアル」について
ISO9001
の要求事項の観点から
解説したものである。3点目に「
PCT
ガイドライン第Ⅶ部 品質 第
21
章国際調
査及び国際予備審査の共通品質フレームワーク――要求事項の研究――」を掲載す
る。これは改定
PCT
ガイドラインの項目と、
ISO9001
の要求事項との比較・対照
最後に、各特許庁の審査の品質管理にかかわる主要な項目について比較した一覧
2.英国特許庁(
The UK Patent Office : UKPO
)
2-1.
UKPO
の概要
(1)審査の品質に関する状況
UKPO
の特徴は
2003
年
3
月に、世界の特許庁で初めて、特許審査の品質管理に
関し
ISO 9001:2000
を取得したことである
1。
ISO 9001:2000
は品質管理マネジメ
ントシステムに関する国際標準である。導入の目的は、サービスの向上を通じた顧
客満足度を高めることと並んで、サーチ、審査を外注していることに対する信頼度
を高めるためである。現在、
UKPO
は、デンマーク特許商標庁(
Danish Patent and
Trademark Office : DKPTO
)とサーチを、オランダ産業財産権庁(
Netherlands
Industrial Property Office : NIPO
)とはサーチと審査を外注する契約を結んでいる。
つまり、
UKPO
と外注先と審査の品質に関する共通の認識を得るために、国際標準
である
ISO 9001:2000
を取得し、これを順守することにより審査の品質を維持しよ
うとするものである。
この
ISO
取得の責任者は
PCT
ガイドラインの品質の部分に参加しているなど、
品質に関し非常に意識の高い特許庁と言える。
(2)審査に関するデータ
①
特許件数
22001
年
2002
年
2003
年
出願件数
30,576
29,911
29,835
登録件数
7,555
8,690
9,761
②
審査状況
3(
2003
年)
・調査報告書
:請求~発行までの平均期間
4.2
ヶ月
・実体審査
:請求~特許付与までの平均期間
20
ヶ月
1
http://www.patent.gov.uk/media/pressrelease/2003/0703.htm
2Facts and Figures 2002, Facts and Figures 2003
3
UKPO
年報
2003
-
2004
、
P39
(3)
UKPO
の組織
組織図を図
2
-
1
に示す。
2004
年の職員数
4は、特許部門:
482
名、商標部門:
210
名、意匠:
9
名、その他:
329
名、計
1,030
名。
【図
2
-
1
:
UKPO
組織
5】
4
UKPO
年報
2003-2004, P80
5
UKPO
HP
http://www.patent.gov.uk/about/whowhere/people.htm
事務局 、IT 法人業務局
商標・意匠局 知的財産権 ・技術革新局
財 務 局 特 許 局 長官・最高責任者
中 央問 合 せ 窓口、事務局
情報技術
人事、給与、 総務、訓練
マ ーケ テ ィ ング
登 録
国 際
法務・審判
審 査
業務改善室
法 人サ ー ビ ス
コ ンピ ュ ー タ 利用 者 サ ービス
著作権政策
特許・商標・ 意匠政策
商標・意匠局
財 務 特許A部
特許B部
特許C部
特許D部
(4)特許局の組織
特許局の組織図を図
2
-
2
に示す。
【図
2
-
2
:特許局組織
6】
(5)審査部門
審査部門はC部(
Division C
)と
D
部(
Division D
)の
2
つの部の中に、それぞ
れ
8
つ、計
16
の審査グループ(
Examining Group
)が存在する。審査グループは、
副部長(
Deputy Director
)を長とし、数名の上級審査官(
Senior Examiner
)
、数
名の審査官(
Examiner
)
、数名の審査官補(
Associate Examiner
)からなり、計
15
~
20
名で構成される。
6
UKPO
HP
http://www.patent.gov.uk/about/whowhere/people.htm
特許局長
特許A部 特許B部 特許C部 特許D部
分 類
調査助言サ ービス
管理事務・ IT
譲 渡
新規出願
国際出願室
登録簿管理
権利回復
審査部C
実務・政策
審査部D
法 務
自己出願室
(6)審査官
人数について公表された正確なデータはないが、
2003
年の
UKPO
のホームペー
ジ上の記事には、特許審査官は約
250
名との記載がある
7。前項より、概算すると
15
~
20
(名)×
16
(グループ)=
240
~
320
(名)となり、概ね上記の数値は正し
いといえるだろう。
審査官(
Examiner
)は審査官補(
Associate Examiner
)としてスタートし、一
般的に調査・審査業務に熟達し、ひとり立ちする
2
~
3
年後には審査官(
Examiner
)
に昇格し、約
7
~
9
年後には上級審査官(
Senior Examiner
)に昇格する。
(7)イギリス国内特許出願の審査過程
特許を出願する。次に予備審査及び調査請求を、優先日又は出願日から
12
ヶ月
以内に、提出しなければならない。もし、期限内にこの請求が提出されない場合、
その出願は取り下げられたものとみなされる。予備審査は出願の方式要件に関して
行われる。調査報告は、特許性についての言及を含まないが、審査官により調査さ
れる主題の分類、
及びその中で関連を有すると思われる文献のリストを掲げている。
調査報告書は、その請求の数ヶ月後に出願人に送達される。出願は、優先日若しく
は出願日から
18
ヵ月後に公開され、調査報告も同時に公開される。公開されたら、
公開日より
6
ヶ月以内に実体審査請求をしなければならない。もし、期限内にこの
請求が提出されない場合、その出願は取り下げられたものとみなされる。実体審査
は、新規性、進歩性、不特許事由、発明の単一性について行われる。拒絶理由が存
在する場合は、通知書が出願人に送達され、出願人は意見/補正書を提出すること
ができる。全ての拒絶理由が解消されれば、特許が付与される。出願日から
4
年
6
ヶ月以内に特許付与可能な状態になっていない場合には、出願は無効となる。
また、
1995
年
7
月より、上記ルートの他に、調査請求と同時に実体審査請求を
する、調査平行審査(
Combined Search & Examination : CS&E
)という制度もス
タートした。
審査の流れ
3
~
4
ヶ月
12
ヶ月以内
特許出願
予備審査&調査の請求
調査報告書(先行技術文献)
公開(出願、調査報告書)
実体審査請求
実体審査
拒絶理由通知
特許付与
拒絶査定
18
ヶ月
4
年
6
ヶ月以内
2-2.品質保証について
(1)概論
UKPO
の特許部門の品質に関しては、
ISO 9001:2000
の原則を堅持することにつ
きる。
ISO 9001:2000
については別項で説明するが、そこで要求される事項を守る
ことにより、審査の品質は保たれる、という認識である。
また、他国の特許庁では、品質に関する専門部門を持つのが一般的であるのに対
し、
UKPO
ではこれら組織を持たないことも特徴のひとつである。審査グループの
長である
Deputy Director
と、法務部門の責任者である
Deputy Director
が、品質
保証に関し重要な両輪となっている。
UKPO
はこのように専門部署を持たないこと
が、他国に対する有利な点だと考えている。
審査グループの
Deputy Director
は部下の仕事の品質を評価し、必要なフォロー
アップをするのに最適な立場にある。また、そうすることにより部下の能力を知る
ことができ、部下の抱える問題点を把握し、部下に対する適切な教育を与えること
が可能となる。つまり
Deputy Director
は審査実務の品質保証に関するキープレー
ヤーである、と考えられている。
一方、法務部門は、審査官に従うべき手続きを教えるガイダンス、例えば特許審
査便覧を普及させることを主な職務としている。そのようなガイダンスを順守する
ことは、審査に対する取り組みの一貫性を保つだけでなく、審査の効率と品質を最
大限にすることを可能とする。この法務部門の責任者である
Deputy Director
も同
様に大切な役割を果たしている。
審査の品質評価の方法で、
UKPO
に独特のものとして
IDQA
(
Interdivisional
Quality Assessment
)パネルの開催が挙げられる。これは、上述の、審査グループ
と法務部門の
Deputy Director
が参加し、審査の品質を評価するものである。詳細
は後述する。
●
ISO 9001:2000
の取得と維持
●品質保証専門部門を持たず、ラインマネージャーが担当
(2)
ISO 9001:2000
ISO 9001
(
2000
は
2000
年に改定されたことを表す)は品質管理マネジメント
のシステムに関する国際標準であり、その特徴は、下記のように表現される。
つまり、従来の製品の品質保証に加えて、顧客満足度の継続的な向上を目指すシ
ステムを確立すること、といえる。
ISO 9001:2000
は品質マネジメントに関する要求事項を規定しており、これを取
得しようとするものは、要求事項を満たしているか、第三者の審査機関による審査
を受け、合格しなければならない。また、この登録期間は
3
年であり、更新するた
めには再度、審査を受けなければならない。
ISO 9001:2000
の要求事項については
5
章で詳述する。
従来、
ISO 9001
を取得するのは製造業が多かったが、最近ではサービス産業も
含め、あらゆる産業で取得されている。また、日本では公共行政の分野でも取得す
る例が増えてきている
8。例えば、行政サービスの企画・実施といった範囲で取得す
る地方自治体も現れるようになった。
UKPO
が取得したのは、特許の付与の過程
(
patent granting process
)における
ISO 9001
である。特許の審査という特殊な
分野で取得したのは、世界の特許庁で初であり、他国の特許庁に対し少なからず影
8
http://www.jab.or.jp/cgi-bin/jab_statistic_09_j.cgi
ISO 9001:2000
の基本的性格
〈
QMS(Quality Management System)
を確立・文書化・実施・維持〉
■
顧客重視
■
経営層の責任
■
人的資源の重要性
■
データの分析(事実による管理)
■
是正措置、予防措置
響を与えたことと思われる。
UKPO
は
ISO
の取得を目指して
ISO
チームを組織し、
このチームを中心として活動を進め、約
9
ヶ月の準備期間を経て
2003
年
3
月、
ISO
9001
を取得した。この審査にあたって、
UKPO
は後に審査結果が覆ることない、
安定した特許を効率的に特許査定するための仕組みを確立していることを示す必要
があった。審査の評価項目は、審査官教育、品質保証手続、
IT
システム、ワークフ
ロー管理、顧客との関係等、広範囲にわたるものである
9。
一般に、
ISO 9001
取得準備の段階においては、多くの文書資料が必要となるも
のだが、
UKPO
では既にマニュアル、審査便覧など、多くの資料が存在していたの
で、新たに作成した資料は、いわゆる品質マニュアル「
PATENTS DIRECTORATE
QUALITY MANUAL
」くらいであったとのことである。これは
ISO 9001
におい
てはバイブルともいえるものであり、全文を資料2-①に掲載する。
(3)
IDQA
パネル(
Interdivisional Quality Assessment panel
)
品質保証部門を持たない
UKPO
が、審査の品質をチェックする場である。内容
は、審査案件をサンプリングし、審査グループの
Deputy Director
(以下
DD
)た
ちによって評価し、
問題のあったものは担当審査官にフィードバックし、
予防処置、
是正処置の必要性について結論を出す、というものである。詳細な手順を資料2-
②に示すが、概略を以下に述べる。
①
参加メンバー
1
回のパネルに、審査グループの
DD 4
~
5
名と議長役の法務課の
DD
が
1
名参
加する。
②
パネル開催頻度
年
7
回開催し、各審査グループは年
2
回参加する。
③
評価対象案件のサンプリング方法
1つの審査グループから審査の各段階についてサンプリングする。
具体的には、
サーチ
4
件、サーチ&審査
3
件、審査
4
件、特許査定
3
件、
SAS/SMART
サーチ
1
件の計
15
件。この中には、オランダ、デンマーク両特許庁に外注したものも含
まれる。ただし、審査官補が担当した案件は除く。
④
サンプル配付
法務課の
DD
はサンプリングされた案件から配布用に分別し、参加する
DD
に
15
件ずつ配付する。その際、各
DD
には自分のグループ以外で処理された案件が
渡るように選定する。評価の客観性を保つためである。
⑤
パネル前のチェック
DD
は配付された案件について、品質基準
10(
QUALITY CRITERIA IN
PATENTS DIRECTORATE
)に従って評価する。その際、評価者は専用のチェ
ックリスト(
QUALITY ASSESSMENT FORM 1: PATENT SEARCH AND
EXAMINATION
11)を使用する。問題のないものは、法務課
DD
に返却する。
問題のあるものは、
最初にその案件を担当した審査官の所属長である
DD
に送り、
その後、他の参加
DD
に回付し、内容を理解しておく。該当案件の
DD
は担当審
査官と事前に協議し、審査官の意見を聴取しておく。
⑥
パネルにて
問題案件に対し、最初の
DD
の評価が正しいか、変更すべきか、担当審査官の
意見も参考しながら決定する。結果は該当審査官にフィードバックされる。また、
該当案件により提起された問題に関し、何らかの対策が必要であるかについても
決定される。かかる対策には、全ての審査官を対象とした一般的な指針の発行も
含まれる。
⑦
パネル後の処置
議長は提起された問題及びそれに対する対策案を記録し、必要な指針案を作成
し、パネルの結果を定期的に特許管理委員会に報告する。
2001
-
2002
年の品質
評価報告書(
QUALITY ASSESSMENT REPORT
)を資料2-⑤に、
2001
-
2002
年の品質評価年報(
QUALITY OF PATENT EXAMINATION
)を資料2-⑥に
示す。
⑧
品質目標
IDQA
パネルでの、品質を示す指標は、容認可能な件数/全評価件数、で表さ
れる。目標数値は
97
%以上である。
10
資料2-③参照
⑨
2003
年度のパネル実績
開催回数
:
7
回
参加審査グループ
:
6
回は審査グループの
DD5
名参加、
1
回は
DD4
名参加
延べ参加者
34
名
総評価件数
:
510
件=
15
×
5
×
6
+
15
×
4
×
1
UKPO
の年間処理件数
:
30,000
件 (審査+サーチ)
評価件数割合
:
1.7
% (=
510
/
30,000
)
審査官一人あたり件数
:約
2
件 (
1.5
~
2
=
30
/
15
~
20
)
(4)顧客満足
UKPO
の経営計画
2004
年(
Corporate Plan 2004
12)の、長官による序文の冒頭
に「計画全般に一貫するテーマは、顧客サービスの改善と効率的なデリバリーの
2
つである」とあるように、
UKPO
は顧客満足度の向上に重点を置いている。顧客の
要求にできるだけ近いサービスを開発し、供給することは重要であり、また、継続
的な改善は
ISO 9001
においても本質的な要素であり、そのためには顧客からのフ
ィードバックを重視している
13、とも述べている。
①
顧客サービス基準
UKPO
では顧客サービスの基準を細かく定めており、その結果も年報に報告し
ている。
2003
年の各基準に対する結果
14を資料2-⑦に示す。
②
顧客フィードバック
UKPO
は、顧客重視の組織としてサービスを絶えず向上させていくためには、
顧客からのフィードバックが大切であると考え、ホームページ上にフィードバッ
クを受け付けるフォーマット
15(資料2-⑧
参照)を設けており、顧客が意見を
述べやすい環境を整えている。また、受け付けたフィードバックに対する処置、
12
http://www.patent.gov.uk/about/reports/plan2004.pdf
13http://www.patent.gov.uk/patent/quality/feedback.htm
14UKPO
年報
2003
-
2004
、
P95
対策についてもホームページ上で公開しており
16(資料2-⑨参照)
、顧客重視の
姿勢を明確に示している。
③
顧客満足度調査
UKPO
は、
EPO
や
USPTO
と異なり、総合的な顧客満足度調査は行っていな
い。しかし、経営計画
2004
年で、顧客満足度を定期的に評価する仕組みを作る、
と述べており、今後の課題であるようだ。
2-3.審査業務の外注
UKPO
は、審査の効率化と外国の特許庁との協力関係を促進することを目的とし
て、特許の調査・審査業務を外国の特許庁に委託している。デンマーク特許商標庁
には
2003
年より特許調査を、オランダ産業財産権庁には
2004
年より特許調査・審
査を委託している。
UKPO
は
ISO 9001
を取得しており、業務を委託した場合、当然委託先も
ISO
9001
の要求事項を守らなければならない。したがって、
UKPO
と両特許庁の間に
は事前に十分な準備がなされた。ここに、
「特許先行技術と特許審査の一部外部委託
に関する提案についての諮問
17」という、イギリスのユーザーにあてた文書がある。
この中にデンマーク、オランダ両特許庁との取決め等が詳述されているのでその一
部を資料2-⑩に紹介する。
2-4.
PCT
リフォームへの参画
UKPO
は
PCT
における国際調査機関でも国際予備審査機関でもない。しかし、
ISO 9001
を取得したこともあってか、
PCT
ガイドラインの改定に積極的に参画し、
PCT
国際段階における調査及び予備審査に関する共通の品質フレームワークを創
設するよう提案し、これが採用された。
UKPO
のホームページにはその辺りの状況
について触れた文書
18があるので資料2-⑪に紹介する。
参考資料
2-① 特許局 品質マニュアル
2003
年
1
月・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2-②
28
章 品質評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2-③ 特許局における品質基準・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2-④ 品質評価書式1:特許調査及び審査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2-⑤ 品質評価報告書・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2-⑥ 特許審査の品質 品質評価年次報告書
2000
-
2001
・・・・・・・・・・・・
2-⑦ 顧客サービス基準に照らした実績評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(
2003
年
4
月~
2004
年
3
月)
2-⑧
Our relationship with customers Feedback
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2-⑨
Our relationship with customers
Feedback: July to September 2004
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2-⑩ 特許先行技術調査と特許審査の一部外部委託に関する
提案についての諮問・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
資料2-①
特許局
品質マニュアル
資料2-①
概要
この品質マニュアルは、その見直し及び更新の任に当たるISOチームによりISO 9001:2000 の要件を満たすように制作される。われわれは、本マニュアルが有効な基準ツールとして 使用されることを希望する。
この品質マニュアルに誤りを発見した場合、このマニュアルに対する改善意見がある場合、 あるいはISO 9001:2000について詳細な情報が必要な場合、遠慮なく下記のISOチームに 連絡されたい。
ISOチーム構成員は次のとおりである。
Susan Chalmers (チーム・リーダー兼品質システム管理者) (x4780) Andrew Cressey (x4631)
Andrew Hughes (x4128) Mike Leaning (x3795)
Peter Mason (副チーム・リーダー) (x4701) Paul Nicholls (x4865)
Kathryn Orme (x3798) Rosemarie Piper (x4574) Kurt Stephens (x4876) Gaynor Treharne (x4618) Jeanette Tudbull (x3597)
資料2-①
目次
第1節 特許庁の組織 第2節 品質方針 第3節 品質目標
第4節 品質マネジメントシステム
・コアプロセス :新規出願、割当て、予備審査、第17条調査、公開前、A公開、実体審 査点検、第18条実体審査、付与前、B公開
・支援プロセス :分類及び資料作成、人事、内部通信、訓練、情報技術、インフラスト ラクチャ、法務啓発、顧客通信、品質評価
第5節 文書化手続
・ 文書管理 ・ 記録管理
・ 品質マネジメントシステムの見直し ・ 内部監査
・ 是正処置及び予防処置 ・ 品質改善提案
資料2-①
特許庁の組織
特許庁は、貿易産業省(DTI)の革新本部の一部である。David Hughesは、革新本部の長 官である。
運営委員会
運営委員会の役割は、特許庁執行機関の体制文書で定義されている。その役割は、われわ れの経営計画及び業務遂行能力(目標を含む)についてわれわれの長官、David Hughesを通 じて大臣を補佐することである。また、当執行機関の業務及び進展についてさまざまな課 題にわたり商業的観点から指導を行う。
運営委員会は年に4回開催され、その議長はDavid Richardsが努める。財源・資源管理局 (FRM)局長のJacqui Entwhistleも産業・商業界の有識者としての4人の外部構成員ととも に委員会を構成する。Alison Brimelow (われわれの最高経営責任者)も運営委員会の構成員 である。他の特許庁理事会構成員もすべて運営委員会に出席するが、運営委員会の正式構 成員ではない。
特許庁理事会
特許庁理事会は、当執行機関の毎日の運用について責任を有する最高経営責任者の Alison Brimelow及び各局の局長から構成される。下の図表は、現在の構成員及び各局長の担当領 域を示す。理事会は毎月開かれ、庁の方針及び戦略の策定及び運用課題について審議する。
特許局 – 運用組織
B部は、法第89条に基づいて行われるイギリス特許出願を扱う場合の新規出願課及び国際 室を除き、品質マネジメントシステムの範囲から除かれる。商業調査(法務調査に対する) 作業を処理する調査・指導室も除かれる。
特許管理委員会
特許管理委員会(PMB)は特許局の最高管理機関であり、なかでも、特許局の全体的管理及 び企画立案-すなわち政策の実現を担う。PBM は、部長及び審議官(Champion)から構 成される。PMBは、ITの展望及びわれわれの審議及び決定の意味あいを考慮に入れるため にIT利用者の代表も含む。
審議官(Champion)
資料2-①
を担当する。品質・権限付与・通信(ISOを含む)、国際活動、訓練・啓発、戦略に関する審 議官が置かれている。
特殊活動は、技術移転と革新支援、教育及び意識の促進、高品質製品及びプロセスの確立 及び維持、他者から学ぶこと、顧客インターフェイスに立つこと、全職員にその才能と技 量の発揮を可能にするプロセスをわれわれが持つようにすること、われわれのプログラム が業務利益を生み出すように首尾一貫性を保つようにすること、他管轄庁との協同作業を 行い、ベンチマーキング及び協力から最大の利益及び教訓を得ることを含む。
非審査部
2つの非審査部、A及びBがある。 A部は以下からなる。
人事課(採用及び一般管理要員)
調査・指導課(アイルランド・商業調査、契約業務) 分類課及び資料課
IT利用者政策 公開課 図書館 ECLA室
B部は以下からなる。
新規出願(安全保障検査を含む) 特許付与
ファイル申請 権利の通告及び認可
国際室(EPC出願、PCT出願、翻訳) 登録簿維持
回復
審査部
2つの審査部、C部とB部がある。両部とも全体的組織は同じであるが、D部は訴訟課、 安全保障課、自己出願人室(PAU)を含む。一方、C部は特許慣行・法律政策課を含む。訴訟 課は審問を所管し、法律政策課は庁の政策が現在の判例に沿っていることを保証する。PAU は、もっぱら、特定の表題の自己出願人事案を扱う。
C部及びD部は、それぞれ、以下を含む。
資料2-①
管理主任:管理主任は、部内の方式担当職員を管理し、それについて責任を持つ。管理 主任は方式管理者とともに作業の品質保証に責任を持つ。
審査グループ:各グループには、毎日のグループの運用及び短期~中期管理計画に責任 を持つ副部長が置かれる。副部長は、自グループにおける表題横断作業レベルのバラン スを取る責任を持つ。副部長は、また、品質保証に深く関与する。副部長は自グループ のすべての構成員から作業をサンプルするだけでなく、イギリスの特許調査報告書をそ れに対応する欧州及び国際特許出願に関する調査報告書とベンチマークする調査比較活 動に参加する。副部長は、IDQAパネルの構成員である。
各審査グループは、若干の上級審査官、審査官、審査官補からなる。上級審査官は経験 豊富であり、審査官及び(試用期間の)審査官補を訓練する責任を持つ。上級審査官は、担 当訓練生の作業の修正もその内容の形式と品質両面において行う。
特許局職員の役割及び責任のさらなる詳細は、PD職能電話帳及びイントラネット上に掲示 されている。
資料2-①
特許局
品質方針の明示
われわれの任務
特許による革新
顧客に関する価値観
われわれは、以下により高い品質のサービスを提供する。
・まず最初に、遅れずに、正しく理解する
・われわれのすべての顧客を丁寧にかつ公平に取り扱う ・顧客のニーズを満たす
・一貫して、かつ、賢明に法律を適用し、一般市民に対する特許局の義務を公然 として果たす
・積極的かつ顧客の役に立つように応対する
・顧客要求事項を制定し、それに対比してサービスを監視する ・特許局の業績の判定基準となる規格を公開する
・苦情に対し迅速かつ積極的に応答する ・当局のサービスを積極的に公表・説明する
職員に関する価値観
われわれは、すべて、以下によりその本分を果たす。
・専門家としての仕事を行う ・すべての同僚と協力する
・お互いに、尊敬、誠実、信頼、公正、率直をもって接する ・自己の技量と知識を向上させる
・新しい着想及び作業慣行を提案し、また、それらに応える ・自己の作業について責任をとり、目標を設定し、それを満たす ・庁の方針及び目的を理解する
革新に関する価値観
われわれは
資料2-①
のサービスの有効性を常に改善する、
・改善のための提案を奨励・認識し、迅速かつ積極的に応答する ・情報技術の開発成果について最新の知識を保ち、利用する
・他組織の最善の慣行について最新の知識を保ち、それに適合/採用するために積 極的にベンチマークを行う
・他組織の最善の慣行について最新の知識を保ち、それに適合/採用するために積 極的にベンチマークを行う
・われわれのサービスを拡大する可能性のある領域を探求する
リーダーシップに関する価値観
われわれは
・実例により指導し
・垂直・水平コミュニケーションに出精し、全職員が意志決定過程に関する情報 を得るとともにそれに与えるようにする
・批判に建設的に対応する
・可能な場合には権限を委譲し、全職員が自己の作業及び行為について責任をと るようにする
・明確かつ一貫した個人の目的及び目標について全職員と合意し、その達成を支 援する
・成長のための訓練及び機会を与えることにより全職員がその全潜在能力を発揮 するよう支援する
・高い品質の作業を推奨・認識し、手順を見直すことにより及び/必要な場合には 訓練を施すことにより過誤を建設的に取り扱う
・公正、率直、誠実で近づきやすい態度を保ち、誠実、信頼、尊敬、細やかな神 経をもって、等しい価値を持つ存在としてすべての職員を等しく扱う
・職員の多様性を最大化し、祝福し、それから利益を引き出す ・チームワークの価値を認識し、チームで働くことを推奨する ・良好な作業環境を提供する
われわれが顧客のニーズを引き続き満たして行くために、われわれは品質方針を年次経営 計画サイクルの一環として見直す。
資料2-①
特許局品質目標
イギリスの事業が未来第一となることを促進する
1年行動計画(会計年度2002/2003)
国際、革新及び政策
・高度な作業のためのメカニズムについて重要政策決定者と合意する ・JPOと相互認識のためのタイムテーブルについて合意に達する ・調査協力についてDKPOと覚書を交わす
・イギリス革新フェアの開催計画を完成する
・共同発明者に対するウェブ・ベース革新デート・サービスを支持団体ともに開 発する
職員の配置
・新規採用を強化し、雇用パッケージを改善する要因を明らかにし、それらにか なう提案を作成する
・すべての職員の貢献及び試行選択領域を最適化するために作業の役割及び責任 を描き直す
・審査員訓練の見直しを完了する
処理
・慣行及び手続の協議の結果を実現する
・審査員と特許代理人間の慣行の規範を作成する ・自己出願人室の運営を評価する
・品質認証の規格を明らかにし、それを実現する計画に合意する
Eビジネス
・EP出願の電子提出を導入する
・EPOからの引渡しから3カ月以内にイギリス電子出願ソフトウェアの試行を開 始する
・電子ファイル・ドキュメンテーション及び管理のためにどのソフトウェア・シ ステムを使用するか決定を下す
・EPOQUEのJAVA版を展開し、ペーパーECLAファイルを維持する必要性の程 度について展開から6カ月以内に報告するようすべての審査員に求める
資料2-①
ーチが必要である程度について判定を下す
・オンライン・サーチがマニュアル・サーチを置換する程度を監視するシステム を開発する
・EPOQUEの利用に関するH&Sガイドラインに合意し、次にJAVA EPOQUE の導入に続く利用増加を踏まえて見直す
3年目標
国際
・2つの調査認識協定を締結する
革新支援
・革新支援関係をつくる
政策議題
・政策決定者と共有目標をつくる
職員配置
・新規審査官離職率を25%に下げる
・すべての特許局職員の手腕を最大限に活用する新しいフレックスタイム制を明 らかにする
処理
・5カ月後に調査報告の90%を発行し、申請から3カ年以内に特許の90%を付与 する
・品質の公開認証を達成する
Eビジネス
・特許の電子出願
資料2-①
10年目標
目標 それを行うために、われわれの行うべきこと
国際
・国際保護(例えばCOMPAT、PCT、二国間協定による)の国内送達
・フレキシブルな作業の仕組みを構築する
革新
・革新の支援拡大-評価、開発、利用、施行の援助
・その場しのぎの策を超えること
処理
・ リアルタイム送達-この場合遅延なし
・ 顧客のニーズを理解する
われわれは、PD職員がわれわれの品質方針を支援することを保証するため、PD職員と協 議して経営計画サイクルの一環としてわれわれの目的を見直す。
資料2-①
特許局
目標及び顧客サービス規格
われわれの目標は、利用者と協議して設定される高いサービス規格に基づいて、高い有効 性の推定を持つ特許を付与することである。
2002/2003年度の特許に関する主な機関目標
・前年比実績を向上し、2005/2006までに調査報告の90%を、請求から6カ月以 内に発行する
・特許の90%を申請から3年以内に付与する
われわれはこれらの目標を毎年見直し、それについてDTI大臣の承認を得なければならな い。毎年、特許庁理事会による経営計画に関する職員セミナーを行う。
2002/2003年度の主な顧客サービス規格
われわれの目的は、知的所有権法律が特許に適用されるとき、それを公正かつ一貫して施 行することである。われわれは、顧客がわれわれから期待できることを知ることは重要で あると考えており、したがって顧客の応対について具体的な規格を設定する。
われわれの指導原理は、顧客が以下を期待できるということである。
・公正に取り扱われること ・丁寧に取り扱われること
・その特許に関してわれわれから援助を得ること
これを達成するために、われわれは以下の実行を目指す。
・特許局が受理した知的所有権のすべての出願の詳細を公開し、また、IPR の付 与又は保護に関する新しい原則を規定するか又は既存の原則を強化する主な決 定を公示する
・特許局の決定について常に説明し、理由を明かにし、かつ、それに異議を申し 立てる機会を顧客に提供する
・顧客を積極的に支援する
・われわれの問い合わせ窓口に09:00から17:00まで職員を配置する
資料2-①
われわれは、顧客のニーズを引き続き満たして行くために、われわれの機関目標、顧客及 び内部サービス規格と対比してわれわれの業務遂行能力を定期的に見直す。
資料2-①
品質マネジメントシステム
品質マネジメントシステムの範囲
この国際規格により定義される品質マネジメントシステム(QMS)の範囲は、次のとおりで ある。
高い有効性の推定を持つ特許の付与
QMS は、安全保障課により実行されるプロセス(国家安全保障上の理由から除外される)を 例外として、特許出願の付与に関連するすべての法定及び主要プロセスを含む。譲渡のよ うな、付与プロセスに直接関係しない出願の詳細の変更は付与プロセスに直接関係しない とみなされ、このような変更に関係するプロセスは品質マネジメントシステムから除かれ る。
特許局により管理・監督される支援プロセスは、品質マネジメントシステムに含まれる。 除かれるものは、特許局に提供されるが、管理資源局及び財務局(FD)により管理・監督さ れる特許庁に共通の支援プロセスである。支援プロセスの管理が特許局とその他の局の間 で分担される場合、特許局により監督されるプロセスの部分のみ、品質マネジメントシス テムに含まれる。
品質マネジメントシステムの法的基礎
イギリスにおける特許システムの法的基礎は、1977 年特許法(1988年著作権・意匠・特許 法及びその他の法律により改正されている)及び1995年特許規則(他の法律により改正され ている)である。
特許庁長官は、特許に関する規制職能を持つ行政官である。特許局の職員は、長官に代わ って種々の法的職能を実施する権限を1994年規制緩和・委託契約法に基づいて長官により なされた正式認可から得ている。認可の詳細、すなわち、認可を受ける者及び認可事項は 特許審査便覧の第130.05項に記載されている。
特許庁は、特許事案において法廷により下された決定に由来する「法」及び「規則」の解 釈を順守し、欧州特許条約に基づいて下された決定を考慮に入れなければならない。特許 庁内の公認審問官(hearing officer)により下された決定の重みは低いが、正当な理由なく それから逸脱することはできない。「法」及び「規則」に基づく作業マニュアル及び手引書 は、職員による「法」及び「規則」の適用方法に関する指導を与える。
特許付与プロセスの概要
特許付与プロセス
財
務
局
特
許
局
管
理
・
資
源
局
特許出願、関連文書、関連
申請、関連手数料の受理
出願番号の付与
出願ファイルの
作成と確認
先行技術調査
出願公開
審査
付与及び
特許公開
特許付与
コアプロセス
包袋の作成・データ 入力
国家安全保障に関す るチェック
当該出願に関する
担当の決定 予備審査
先行技術調査
(サーチ) 公開前チェック 出願公開
実体審査前 チェック
実体審査 付与前チェック 特許付与・
特許公開
英国特許庁利用者は以下を請求することも可能である。 1.CS&E(先行技術調査・審査サービス)
2.先行技術調査、出願公開、実体審査、付与の先倒しでの実施
89条出願(国際出願)の場合は通常は先行技術調査プロセスが省略される。
詳細については方式審査便覧(Patents Formalities Manual)及び特許審査便覧(Manual of Patent Practices) を参照のこと
関係書類の 受領
保管
特許付与サポートプロセス
‘1’ は部分的にのみ特許局により管理されている事項、‘2’ は特許局による管理外にある事項を意味している。
特許局におけるプランニング
管理
人材育成・設備整備 プロセス及び成果物の改善
法的事項に係る改善 1
コアプロセス (別紙を見よ)
業務プランニング
管理報告・統計
訓練・啓発1
IT (調達も含む)1
人事 1
インフラ 2
顧客との連絡・コミュニケーション 1
内部監査
マネジメントレビュー
是正・予防・改善
品質評価
記録管理 内部での連絡 1
分類・文書化 1 法的要求事項 文書管理
特許付与プロセス-詳細フローチャート
CS&E(有料先行技術調査・審査サービス)、自己出願人及び89条出願(国際出願)に関するプロセスについては、方式審査便覧、特許審査便覧及び自己 出願室通達(Private Application Unit Instructions)を参照。現在における先例については審査便覧作業文書(H:/Mopp Dec 1999 Updated/で閲覧可能。 一般公開はされていない)を参照。
新規出願課
(OPTICS によるデータ 読み込み)
安全保障課 (安全保障検査)
方式責任者
(当該出願に関する担当 の決定)
方式補助スタッフ (文書番号を FML に記 入)
方式審査官 (予備審査)
方式補助スタッフ (文書番号をExrに記録)
方式審査官 (方式審査の完了)
方式審査官
(実体審査チェック)
方式補助スタッフ (文書番号をFMLに記録)
審査支援
(PAFSをExrに記録)
方式責任者
(出願公開用Aピックリスト
の管理)
方式補助スタッフ (文書番号をExrに記録)
方式審査官
(方式チェックの完了)
先行技術調査審査官 (先行技術調査)
審査補助スタッフ (文書番号をPubに記録)
審査補助スタッフ (PAFSをExrに記録)
方式責任者
(特許公告用Bピックリスト
の管理)
審査補助スタッフ
(先行技術報告書の発行、PAFS
をFMLに記録)
公開・公告課 (出願公開)
実体審査官 (実体審査)
方式補助スタッフ
(文書番号スリップの除去)
方式補助スタッフ
(文書番号をFMLに記録)
方式補助スタッフ
(文書番号をFMLに記録)
審査支援
(実 体審 査報 告書 の発 行、
PAFSをFMLに記録)
公開・公告課
(特許公告、特許付与)
資料2-①
新規出願
ISO 標準番号
詳細プロセス 資源 管理資料 管理記録
7.5.1 新規出願の作成 特許出願担当官
OPTICS
WIPO ウェブサイ ト(第 89 条案件で 使用される)
机 上 指 導 書(新 規 出 願課管理者により更 新される)
国 内 権 限(新 規 出 願 課管理者により同意 される)
PMAC書簡システム
特許法
特許規則
特許案件ファイ ル/書式1/77
OPTICS記録
1 出願標示が保 持され、統計に 含められる。
PDJ
資料2-①
割当て
ISO 標準番号
詳細プロセス 資源 管理資料 管理記録
7.5.1 出願の割当て 方式管理者
OPTICS
Espacenet
割当てメモ
イギリス主要分類
IPCコンコーダンス
欄外見出し語インデ ックス
権 限(管 理 課 課 長 に より更新される)
特許案件ファイ ル
OPTICS記録
例外報告書
資料2-①
予備審査
ISO 標準番号
詳細プロセス 資源 管理資料 管理記録
7.5.3
7.5.1
入帳(book in)
予備審査
出帳(book out)
方式支援担当官
方式審査官
OPTICS
方式支援担当官
机上指導書 国内権限
(管 理 課 の 課 長 及 び 補佐により更新され る)
特許方式審査便覧
特許法及び規則
PMAC書簡システム
国内権限
机上指導書
国内権限
案件記録簿
進捗記録書
特許案件ファイ ル/書式 1/77、 7/77、9/77
書 簡/予 備 審 査 報告書
OPTICS印刷物
OPTICS 登録簿 記録
印刷機説明書
案件記録簿
グループ別電子 日誌
資料2-①
第17条調査
ISO 標準番号
詳細プロセス 資源 管理資料 管理記録
7.5.1 7.5.3
入 帳 (booking in)
ESO
IT (PAFS システ ム)
PAFSマニュアル
机上指導書
国内的に同意された 権限
PAFS入力
案件ファイル
7.5.1 第17条調査 調査審査官
EPOQUE
調査ツール
IT (PAFS 、 OPTICS、第17/18 条システム)
PAFSマニュアル
MOPP
1977年特許法
特許規則
OPTICSマニュアル
新審査官の手引書
PDI
PDN
チェックリスト
審査官権限
(特 許 審 査 官 訓 練 及 び業務遂行能力標準 手引書)
6/
案件ファイル
第 17 条書簡及 び報告書
‘A’ OPTICS印刷 物
審査官SAR
PAFS印刷物
7.5.1 7.5.3
出 帳 (booking out)
ESO
IT (PAFS 及 び OPTICSシステム)
PAFSマニュアル
OPTICSマニュアル
PAFS入力
資料2-①
机上指導書
国内的に同意された 権限
第 17 条報告書チェ ックリスト
案件ファイル
資料2-①
公開前チェック
ISO 標準番号
詳細プロセス 資源 管理資料 管理記録
7.5.3
7.5.1
入帳(book in)
公開前点検
EP 記憶装置に 入力する
出帳(book out)
方式支援担当官
方式審査官
OPTICS
方式管理者
方式支援担当官
机上指導書 国内権限
(管 理 課 の 課 長 及 び 補佐により更新され る)
特許方式審査便覧
特許法及び規則
国内権限 (上記参照)
特許方式審査便覧 (上記参照) 国内権限 (上記参照)
机上指導書 国内権限 (上記参照)
案件記録簿
進捗記録書
OPTICS印刷物
OPTICS 登録簿 記録
印刷機説明書
OPTICS A Picklist 及び誤 りの報告書
案件記録簿
資料2-①
A公開
ISO 標準番号
詳細プロセス 資源 管理資料 管理記録
7.5.1
7.5.3
公開
方式へ出帳する
公開補佐
公開担当官
印刷機(Xerox)
OPTICS
公開補佐
机上指導書
(ラ イ ン 管 理 者 に よ り更新される)
机上指導書
(ラ イ ン 管 理 者 に よ り更新される)
公開スケジュール入 力及び期日
(IT 利用者管理者に より発行される) Xeroxとの契約 (ARD 及び PD 契約 管理者により維持さ れる)
「OPTISC: A公開サ イクル」
PD IT利用者管理者 により発行されるリ ファレンス・マニュ アル
OPTICS 作成 A Picklist
A印刷報告書
A通知書簡
A公開Doc
A Doc コンコー ダンス
特許・意匠官報
印刷機からのイ ンボイス
資料2-①
実体審査チェック
ISO 標準番号
詳細プロセス 資源 管理資料 管理記録
7.5.3
7.5.1
入帳(book in)
実体点検
出帳(book out)
方式支援担当官
方式審査官
OPTICS
方式支援担当官
机上指導書 国内権限
(管 理 課 の 課 長 及 び 補佐により更新され る)
特許方式審査便覧
特許法及び規則
机上指導書 権限 (上記参照)
案件記録書
書式10/77
進捗記録書
OPTICS記録書
資料2-①
第18条実体審査
ISO 標準番号
詳細プロセス 資源 管理資料 管理記録
7.5.1 7.5.3
入 帳 (booking in)
ESO
IT (PAFS システ ム)
PAFSマニュアル
机上指導書
国内的に同意された 権限
PAFS入力
案件ファイル
7.5.1 第 18 条実体審 査
特許審査官
EPOQUE
調査ツール
IT (PAFS 、 OPTICS 及 び 第 17/18条システム)
PAFSマニュアル
MOPP
1977年特許法
特許規則
OPTICSマニュアル
新審査官手引書
PDI
PDN
チェックリスト
審査官権限
(特 許 審 査 官 訓 練 及 び業務遂行能力標準 手引書)
第 18 条書簡及 び報告書
‘B’ OPTICS 印 刷物
PAFS印刷物
審査官SAR
案件ファイル
7.5.1 7.5.3
出帳 ESO
(IT PAFS 及 び OPTICSシステム)
PAFSマニュアル
OPTICSマニュアル
机上指導書
PAFS入力
OPTICS入力